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梅雨時、気分がすぐれない…「季節性情動障害」

わんわん

季節性情動障害とは、「季節性感情障害」や「季節性うつ」とも言われます。英語ではSeasonal Affective Disorderと呼ばれ、この頭文字を取ってSADとよばれたりもしています。

ある特定の季節にのみ、体のだるさ・疲れやすさ・気分の落ち込みなど、うつ病に似た症状が出る脳機能障害の一種です。患者数をみてみると、冬季と梅雨の時期に多くみられます。

この季節性情動障害のおこるメカニズムはまだ解明されていませんが、現段階では日照不足が原因であるとする説が濃厚なようです。

以前、セロトニンの話題でもお伝えしましたが、「日照不足がうつ病の原因になる」という考え方があります。梅雨の時期は太陽光などが不足しがちなため、「梅雨の季節に鬱のような気分になる」のはこういった事が原因ではないかと考えられています。

太陽光の不足が起こす具体的な症例として、

・人間の中で体内時計をつかさどるメラトニンが、日照時間が短くなることで分泌のタイミングが遅れるまたは分泌が過剰となるなどの異常がおこるために体内時計が狂ってしまう。

・光の刺激が減ることで神経伝達物質のセロトニンが減少し、脳の活動が低下してしまう。

などが挙げられます。

 

梅雨のこの時期に少しでも身体の不調を感じたら、まずは自分で出来る養生法から取り入れてみましょう。

今回は食事のポイントをお伝えします。

食事療法・栄養療法は,うつ病や神経症などの疾患に対して,基本的な体内リズムを取り戻すのに効果的です。季節性のうつ「季節性情動障害」も同じと考えられます。

梅雨の時期や冬季は、気分的にも体力的にも倦怠感が伴う季節です。生活リズムと共に食生活の乱れを予防するため,セロトニン原料の必須アミノ酸のトリプトファンやビタミンB6を摂取すると良いでしょう。

また,ビタミンB12は光に対して感受性を高めてくれます.バランスの良い食事をきちんと摂ることから,体調面でも気分面でもバランスを整えていくわけです。

なお,必須アミノ酸は、肉・魚・大豆に含まれ,豚肉はビタミンB群に優れています。炭水化物(糖質)中心の食事もトリプトファン吸収を助けてくれます。

その他、お砂糖入りのホットミルクはセロトニンを増やすことに有効です。

以上、簡単にお伝えしましたが、ご自分の出来る範囲で取り入れて、梅雨の時期を少しでも快適に過ごせたらと思います。

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はり・きゅう
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自律神経失調症・婦人科
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【ホルモンバランス】PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前気分不快障害)②

PMDDの症状はほとんどが精神症状で、絶望感や自己卑下・持続的な怒り・制御不能など、かなり過激な症状が含まれています。

PMSやPMDDがどのくらいの割合で見られるかについては、実にいろいろな数値が報告されているので、正直なところ正確な数値は判明していないようです。たとえばあるアメリカの研究者は「女性の1割から9割が、初潮から閉経までの間のある時期にPMSを経験する」と言っており、このあまりにも幅がある割合の報告や、また、私が見た報告の中で最高の割合だったのが95%ですが、こうなるとPMSでない人はいない、ということになります。様々な報告の数値を平均化してみると、50~70%あたりが妥当な線と言われています。

この割合は、PMSの症状として挙げられたもの、たとえば「月経前に乳房が過敏になる」とか「むくむ」などといくつか思い当る人の割合であって、その中で治療が必要な人-つまり日常生活に支障をきたしている人の割合は5%くらいだろうといわれています。

そしてPMSの中の2~8%ぐらいがPMDDではないか、というのが専門家の間の見方です。

理屈の上ではPMSやPMDDは月経がある間のすべての女性に起こりうるもので、また発症のきっかけは特定できるものはないとの見解がほとんどです。

 

【月経前不快気分障害(PMDD)のチェックテスト】

過去一年間の月経周期のことを思い出してください。月経の前10日ぐらい(排卵日の2~3日後)から月経開始1~2日ぐらいまでの間に以下のような症状はありませんか?ただしその症状は月経が始まって遅くとも3日目くらいで消え始め、月経後一週間は現われないものに限ります。

 

1□ 激しいうつ状態・激しい絶望感・ひどく自己卑下する気持ちのいずれかを覚える

2□ 不安・あるいは緊張度が高い、あるいは「苛立っている」という感情を覚える

3□ 著しく情緒不安定になる-たとえば突然悲しくなる、涙が出る、号泣する、他人から拒絶されるとひどく傷つくなど

4□ 激しい怒りが続く・ちょっとしたことですぐ怒る・人間関係のトラブルがよく起こる

5□ 日常の活動に対して興味がなくなる-家事・仕事・友人・趣味など

6□ 物事に集中することが困難になる

7□ 激しく倦怠感を覚えたり、すぐ疲れたりする。あるいは、著しく気力が減退する

8□ 食欲が大きく変化する-過食になる・特定の食べ物が欲しくてたまらなくなる

9□ 過眠あるいは不眠に陥る

10□ いろいろなことに圧倒されるという感じを覚えたり、自分を制御することが難しいと感じたりする

11□ 乳房の圧痛や脹痛・頭痛・関節痛・筋肉痛・膨満感・体重増加などがある。

 

以上の症状が5つ以上あり、特に1から4までの項目の症状が少なくとも1つ以上あれば、月経前不快気分障害の疑いがあります(アメリカ精神医学会「PMDDの定義」DMS-Ⅳより改変)。

 

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自律神経失調症・婦人科症状

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【ホルモンバランス】PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)①

PMSは、以前は月経前緊張症と呼ばれていた病気です。月経前緊張症もPMSも産婦人科学から出た病名ですが、PMDDは1994年に アメリカの精神医学会が定義したものです。専門的な言い方をすると、「特定不能うつ病性障害」の一つということで、精神症状面でPMSの重症型とみなされています。

こういった病気は「昔はなかった病気」というわけではなく、一般の方はもちろん、婦人科や心療内科・精神科の医師でも、そういう病気があることを知らなかったというのが正直なところだと思います。

月経痛がひどければ月経困難症、周期が乱れれば月経不順という診断名がつくのに対し、月経の前に出る不快症状は生理的なもので治療の対象にはならないと考えられていました。

PMSとPMDDは「月経前から現れ月経が始まると消える症候群」と定義されています。「月経前」というのは数時間という単位ではなく、短くても 3日ぐらい前から、長い場合は排卵の直後ぐらいから症状が出て、月経が始まった翌日ぐらいまで続くということもあります。

症状は多岐にわたり、身体症状では下腹部痛・下腹部の膨満感・頭痛・吐き気・嘔吐・乳房が脹ったり過敏になったりする・手足がむくむ・ニキビ・便秘や下痢・のぼせ・倦怠感・体重増加などがあります。その他の症状としては食欲の異常亢進または不振、嗜好の変化(甘いものや炭水化物が食べたくなる)ということもあります。

精神症状ではうつ状態・情緒不安定・過敏・緊張・睡眠の変化(不眠または過眠)、 集中力や判断力の低下などがよく見られ、ちょっとしたことで泣いてしまうということもあります。

【PMS(月経前症候群)チェックテスト】

ここ最近3回の月経の始まる前5日間のことを思い出して、以下のような 症状がなかったかチェックして下さい。

〔感情〕

□うつ状態になる

□怒りが爆発する

□イライラする

□不安になる

□判断力が低下する

□社会的引きこもりになる

〔身体症状〕

□乳房が痛い

□腹部膨満感

□頭痛

□手足がむくむ

感情、あるいは身体症状の項目に一つ以上チェックがある方は、PMSの疑いがあります(アメリカ産婦人科学会の定義より改変)。

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